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Air Jordan XXX (30) Performance Review - SZOK



エアージョーダン 記念すべきシリーズ第30作目となる "Air Jordan XXX (30)" をレビュー

印象に残った感想を幾つかと、10の項目で機能を考察し配点をしていきます

使用環境や所有者の身体能力、足の形状により履き心地という点は個人差があるので、あくまでも参考程度でお願い致します

(配点項目と基準については ”テンプレートについて” を一読下さい




こちらは1stカラー、白黒のシンプルな配色に中間のグラデーションとサイドパーツのコスモ柄がちらりと見えるカラーリング

シューズの細かな部分における各デザインのストーリーについては割愛、検索すれば山ほど出てきますので…




アッパーは前作とは似て異なり、フライニットとジャガード構造が組み合わされた布帛素材、細かな格子状のステッチが特徴的

"Air Jordan XX9 (29)" のFly Weave (フライウィーブ) と比べるとコチラの方が張りがあり強度を感じる、打って変わって丈夫な素材感

シューレースホールには連動したレースループとなるFlight Web (フライトウェブ) を搭載、甲周りのフィット感は変わらずにホールド感は更に良くなった

ハーフレングスのインナースリーブとサイドパーツもありサイジングとしては若干狭め

サイドパーツは前作同様当たる感触があるので、爪先の幅が広めの方はハーフアップを検討してもよいかと




爪先には新素材のトゥキャップ、マーク・スミスが採用した新しいプリント技術だそうで、ドット模様の中にジャンプマンが鎮座

"Air Jordan XI (11)" や "Air Jordan 2012 (26)" 等でも見かけたドレスシューズのクラシックさを漂わせるウイングチップデザイン、マイケル・ジョーダンが好む意匠ですね

シンプルに爪先の補強、外付けの先芯みたいなもので、耐久性と通気性を兼ね備えているそうで…

確かに頑丈ですが、屈曲時に時折ペコペコと折れる感覚があり

恐らくアッパーとの剛性差により起こる現象と思われますが、爪先に当たる感触が気になったり気にならなかったり…



(Toe Cap)




左右非対称なデザインの足首周り、その内部にアキレス腱を挟むように配されたパッドはフィット感も良く非常にコンフォート、踵を掴んで離さない

 "Jordan Fly Wade 2" でもありましたが、この内部のヒールパッドとの相性は結構難しく、CP3シリーズのようなバケット構造の方が個人差は少ないかも

次作 "Air Jordan XXX1 (31)" では更にパディングが追加されているので、これも感想は分かれそうなところ…

ちなみにインソールにはエレファント柄の滑り止めが配されているのですが、これがとてつもなく快適で、今作の履き心地の重要な要素かと




更にヒールに見える30のナンバリングを意味する「XXX」の補強は、前作を持っている人は触っただけで「違うな」と思うかと

今作は明らかに向上しており、XX9で不満だった踵周りの剛性を充分に補強され踵の抜け感は殆ど無い

「シューズに足を入れたときに、かかとの下にある踵骨がしっかりと固定されるように、かなりの時間を費やして設計しました」と言うだけあり、踵から足首に掛けてのロックダウンは抜群





"Air Jordan XX8 (28)" から続くツーリングの集大成とも言える今作のボトムパーツ

ソール周りは前作にあったTPUシャーシが取り外されたりと微妙に変更が、前足部のサイドパーツとなるクリップは存続

クッションは前作同様、前足部にズームエアが配置され、後足部にはエアユニットは無し

そしてFlight Speed (フライトスピード) 搭載で ”Heel Toe Transition” は高評価せざるをえないかと

ティンカー・ハットフィールド曰く

「(ジョーダンシリーズとしては)これまでに作った中で恐らく最も機能性に優れたもの」

と自ら言うだけあり素晴らしい安定感

このフライトスピード、踏み出した一歩目から足の力がしっかりと ”乗る

踏み込みのパワーが一つとして溢れず、無駄なく次のステップに活かされている感覚



(Flight Speed)




ラッセル・ウエストブルックが次作 "Air Jordan XXX1 (31)" に今作のツーリングを合わせた特別なモデルを履いていますが

余りにも次元が違う人間ですが気持ちは非常に共感できます、個人的にAJ 30の底周りは ”最高” と呼んで過言ではないかと

見た目が変わらない事に対しての非難は数多くありましたが、チューニングを重ねた結果と言えるパフォーマンスは確実にあります




変更されたトラクションパターンは若干前回のほうが ”効く” 感触があるが圧倒的なグリップという事には変わりなく

トラクションは (現時点で) 最高と呼んでも良いかと

直近だと "Kobe IX (9) Elite" が同等のパフォーマンス、これ以上のバッシュを見つける事の方が難しいのではないでしょうか

余りにも効き過ぎてクリアソールに黄変が見られます、一応これでも撮影前に洗ったのですが…




仕様変更されたシュータンは場合によってはコンフォートと言えない履き心地

足首前方、シュータン端とアッパートップの合わせが悪いのか偶に靴擦れが起きる

シュータンの幅が「アッパーのトップラインに掛かるか掛からないか」くらいの何とも言えないサイズで

片側はアッパーの内側にあるのに、もう片側はアッパーの外にあったりと、その干渉かなと思っていましたが




モノフィラメント製のシュータン」という商品説明に注目してよくよく見ていると、キラキラと光って見える物が…

シュータンの端から織り込まれたポリエステルの繊維が飛び出していました…

これが足にチクチクと刺さる感触と靴擦れの原因で、ソックスを越えて皮膚に当たっていたのです

この硬い繊維、ソックス1枚程度では守れませんので、シュータンからハミ出ている部分をカットする等して対応しましょう

もし同じように足の皮が捲れた経験の有る方は一度チェックしてみると良いかと

実際に手にとって購入する際にも、足入れのサイジングと共にシュータン端の状態をチェックする事をオススメします



(アッパーとシューレースでシュータンを挟むように)

それでもこのシュータンをアッパーの内側に収めるようにすると、エッジの硬い素材感の足当たりが時折不快…

何か良い方法は無いかと試行錯誤していたら遂にある発見を

この ”AJ 30の履き方” …それはシュータンの両端をアッパーの外に出すようにする事 (上記画像)

シューレースを一番上まで通して、足首までしっかりと固定する場合はこれがオススメの履き方かと

このシュータンを出す履き方、是非お試し下さい、それでも駄目だったら諦めましょ…



(本人仕様はシュータンの作りが違う…)



- まとめ -

"AIR JORDAN XX9.5"

バスケットボールシューズとして疑いようも無く素晴らしい性能

有名なモデルなので敢えて重箱の隅を突くような事を言いたいところですが…

これにケチをつけたらもう良いバッシュなんて見つからないのでは?と素直に思うくらい良い一足かと

今年最高の得点となりました、クリアランス&クリアランス専用クーポンコンボが発動したのでコスパも異常

恐らく買わない人の大半が「デザインが…」や「カラーリングが…」とお思いでしょうが、個人的には二足買いバッシュ

但し、新しいエアージョーダンというより ”XX9のアップデート版” と呼ぶ方が相応しいかと




決してネガティブな表現では無いのですが「30」 というナンバリングを冠したシリーズ最新作として見たら外見的には予想を遥かに超える・大きく裏切るような驚きは無かったかと…

勿論、シリーズを追う毎に進化を求められるワケで、その作品に過去と変わらない物があるのは良くない事とは思ってしまいますが…


同じボトムパーツを使った "Air Jordan XXX" はある意味英断だったのでは無いのかなと擁護したくもなる次第です

今作、中身は間違いなく最高峰かと

AIR JORDAN と言えば最早「バッシュ」という枠では捉えられない靴というイメージですが、今作は本気で本気のバスケットボールシューズでした



- よだん -

AJ XX9の1stカラーもそうでしたが、これもきっと「一周回って良く見える」パターンがいつか来ると思うんです

惜しむらくはカラー展開が余りにも少な過ぎた事

この1st、ノースカロライナ、ブラックキャット、ジムレッド、市販されたカラーリングはこのたった四色だけ

二足買いバッシュとか言っておきながら二足目に選ぶカラーが見つからないという…

しかも全てのカラーが同一ライニング、どれもこれも黒色で代わり映えしませんね

PEはこれ程までに展開されたというのに…次作 "Air Jordan XXX1 (31)" なんて既に色数が越えてますから…

これ程までに素晴らしいモデルをたった4カラーで終わらせたジョーダンブランド、個人的には超残念

今作もエアージョーダンシリーズの埋もれたナンバリングの一つとなりそうです…



(超残念)







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