”Air Jordan XX8についてもっと考える” - Size Okay Memo
https://www.sizeokay.com/2014/01/air-jordan-xx8-aj-xx8-aj-xx8-aj.html
”Air Jordan XX8についてもっと考える。”
AJ XX8(同ソールモデル含む)において何故問題が起きたかを考えていきます、壊れた理由が ”ズームエアだから” というのは一応無しで。
その他のシューズの故障例に関しては一切話さず、あくまでもAJ XX8・SE・Melo10のみです。
改めて自分なりの考察を、シリーズ旧作のモデルと比較しながら書いてみます。
(こちらと合わせて読んで頂ければ。)
今作のトラブルの起因となるのは恐らく以下の三つと考えます。
・フレックスラインの有無、フレックスポイントの位置
・エアバックの形状、エアの容量
・ズームエアユニットの配置順序、配置方法
(AJ 2012)
(AJ XX8)
フレックスラインというのは、屈曲溝の事です。これがあることによって踏み出しの際に前足部が曲がりやすくなります。
極端な例ですと、リーボックのZIGソールは非常に屈曲性がありますよね。多くのシューズにこのフレックスラインは入ってます。
ここで前作AJ 2012と比べてみますと、フレックスラインが減っているのが分かります。
AJ2012はソールのゴム自体は少々硬いですが、それでも癖が付き曲がりやすくなります。
AJ XX8は溝が少ない分、アウトソールラバーの柔らかさと薄さで屈曲性を補っていると考えられます。
(AJ 2010 - Full Length Zoom Air / Heel Double Stacked Zoom Air)
(AJ 2011 - Be Quick / Be Explosive)
(AJ 2012 - Fly Over / Fly Around / Fly Through)
・エアバックの形状、エアの容量また今作では、2011・2012と続いたインサート方式は採用されていません。
前後ズームエアで、前足部のエアバッグの形状もモデルによって異なります。
AJ2012やSuper Fly.IIのエアバッグは前後に分割されており、屈曲がしやすい形状になっていますが。
XX8は左右二つに別れた形のエアバックとなっています。
(AJ 2009)
(Super Fly.II)
(AJ XX8)
さらに大きな違いは、エアバッグの上に新素材 ”フライトプレート” が置かれているという事です。
以前まではエアバッグに掛かる負荷を、靴内部へ圧力を逃がす事が出来たと考え。
今作ではエアバッグをはめ込んだ上に、フライトプレートで蓋をするように抑えてしまう形となっています。
その為、上方向・左右前後の圧力の逃げ場が無く、屈曲のストレスに耐えられなくなり破裂。
もしくは足の圧力に対して、エアバッグの屈曲性の低さとアウトソールラバーの薄さによりソールが破れるような状態に繋がったのでは無いかと考えます。
それでもミッドソールをくり抜く事で、シューズの軽量化やエアバッグのサイズを大きくする事が出来るので利点も確実にあると思われます。
(Originally Posted by @n_zozoe)
(Originally Posted by barbear1978)
(Originally Posted by barbear1978)
よって今回、一部でこのようなトラブルが起きたのは、AJ XX8の前足部 ”エアユニットの形状とその屈曲性” が原因かと思われます。
なので、同じフライトプレートを採用しながらもエアバックやアウトソールの形状が異なるSuper Fly.IIはこのようなトラブルは比較的少なめであり。
AJ XX8同様のエアバッグを使用しているAJ XX8 SE、そしてMelo10には同じような壊れ方をする可能性が少なからずあると考えられます。
- まとめ -
今回、AJ XX8と同ソールユニットのモデルを買う際にはサイジングに気をつけた方が良いかもしれません。
よくあるのが「横幅狭いからサイズ上げよう」というパターンですが、横方向にゆとりを持たせられますが、縦方向にも余りができてしまい屈曲ポイントがずれてしまうのが原因の一つと考えられます。
なのでもし、”足の幅が広い”・”試着してないが通販で…”という方は注意した方が良いかと。
出来る限りジャストで。他のシューズと同じサイズ…というのは考え直して、もし履ける機会があれば足を曲げて屈曲ポイントの確認を。
それでもこういった事故を防ぐ術は見つからず、初期不良を避ける事は難しいわけですが。
しかし「消耗品だから仕方ない・問い合わせれば代品交換等の対応をしてくれる」というのもありますけど、そういった答えでは無くシューズの作りや設計に対して思考したかったので結構長くなってしまいました。
個人的にシューズの構造や、原因を探るというのは非常に好きで。
今回こういった記事を上げた事で、今後のシューズ選び・レビューにおいて考えさせられる意見も数多く聞かせて頂く事が出来ました。
大変参考になる多くのコメント、ありがとうございました。以上となります。