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Nike Zoom KD XII (12) Performance Review



ケビン・デュラント シグネチャーモデル 第12作目となる "Nike Zoom KD XII (12)" をレビュー

印象に残った感想を幾つかと、10の項目で機能を考察し配点をしていきます

使用環境や所有者の身体能力、足の形状により履き心地という点は個人差があるので、あくまでも参考程度でお願い致します

(配点項目と基準については ”テンプレートについて” を一読下さい)

画像は公式サイトから引用させて頂きます、ちゃんと写真の用意が出来次第差し替えます

じゃないと永久 (とわ) に投稿できないから…




こちらは1stカラーとなる "The Day One"

今作、90年代のバッシュからインスピレーションを受けたデザインで、アッパーのコンセプトとなったのはデュラントが着るウィンテージTシャツからだそう

毎回ですがKDシリーズ快適さ求めすぎ、毎回「馴染む」って言葉使いすぎ

兎にも角にも今回は構造が凄い、というわけで早速行きましょう





アッパー表面はナイロンメッシュ、これまでのフライニットの柔軟なフィット感とは違い、所々プカプカと足から浮いた箇所の目立つやや硬めの素材

そして小窓からも確認できるように、その下の層には ”4way Directional Flywire Cables”

「QUAD AXIAL (4方向・4軸) FLYWIRE」と書かれているが、矢印の数は6方向になっている、まあ多方向 (Multi Directional) に対応しているって事でしょう





この四方に張り巡らされたフライワイヤーケーブルは足の動きに合わせてそれぞれ独立して伸縮、その場の状況に合わせたピンポイントの安定感とホールド性を発揮するそうで

静止している時は優しくゆったりと包み込むようにフィットし、加速する時はしっかりと足をサポートと必要に応じて機能性も変化している

確かに履いていて嫌な圧迫感も無ければ、負荷が掛かった際に不安になる剛性の低さも感じない

フライニット程の吸い付くようなフィット感では無いが、余りにも圧迫されると履いているだけで疲れてくるので個人的にはこちらの方が楽かな





また、ナイロンメッシュのおかげで通気性も良く、手を当てると内部から抜ける熱気をじんわりと感じられる

フィット感はフライワイヤーケーブルが担い、放熱とアッパー強度はナイロンが補うといった関係

KDシリーズとしては "KD VIII (8) Elite" 以来のハイカットだが、動きにくさというのは全く感じず、前作よりも安心して履けるかと






”蝶番のような構造” と説明されるシュータンだが効果はよくわからない…

それでも厚みがあり甲から足首に掛けてのフィット感は良い、素材はタオル地なので汗の吸水性が良すぎるので染み込みが心配なところ

それとシューレースが蝋引きだったのが驚き、なかなか珍しい





サイジングとしては、普段のシューズ選びにおけるマイサイズとハーフダウン (-0.5cm) したもので履き比べたが

ハーフダウンした方は ”ソールがアッパーにせり出した箇所” が足に干渉し少し圧迫感があった為マイサイズを選択

足幅が広めの方は小指側付近に注意しながらサイズ選びをした方が良いでしょう

とにかくKDシリーズはサイズ選びが難しいので、とりあえず試着推奨です




(ここ注意)




アウトソールは全面にブレードパターンが並ぶデザイン、トラクションも前作同様に非常に良い

KD11では ”よく止まるが底高のソールと軟らかいアッパー” というアンバランスな面が目立ったが

今作はアッパーの縁 (ふち) にアウトソールが掛かっている事からも前作よりもサイドサポートを意識している事が伺える





ソールユニットのエッジも一周り広めになっており、あのカクッと倒れてしまいそうな怖さも無い

今作はハイカットでなおかつフライワイヤーのロックダウンがあるので安定感も良く

また踵の抜ける感覚も個人的には無く、不安定には感じられない

若干ソールの摩耗が気になるところなので、その点は注意




(前作との比較、ソールが大きめなのがわかる)





クッショニングシステムは "Full Length Zoom Air (フルレングスズームエア)"

そしてファイロンミッドソール、更にヒールにもズームエア搭載のスタッククッションという滅茶苦茶に豪華な仕様





射出成形のミッドソールには通気孔が開けられ軽量化が施されており、透けた所からも確認できる

これによりフォームの柔軟性を高い状態に保ちながら、同時に快適性も高めているそうだ

確かにこのクッションでこの軽さには驚かされる





そして着用一回目は足裏が疲れた

これはクッションが足りないからでは無く、逆に ”近くにありすぎて” クッションの不安定さに慣れず疲れた、という意味で

確実にクッションとなるユニットの ”存在” を底面に感じるところ、慣れれば非常に心強い衝撃吸収性を発揮し、非常にコンフォート

ちなみにインソール自体にも厚みがある、もう豪華過ぎだって

- よだん -

また今作、普通のフルレングスズームエアでは無く、ちょっとした違いがあり

靴の制作、製靴 (せいか) ではラストに中底と呼ばれる物を固定し、そこに被せたアッパーを吊り込んでいくのだが

大量生産においては、これを機械を使って一周 ”ダダーッ” っと縫い、本底をガチャンと圧着していく

そこでこの中底自体をZoom Airにしちゃおうというのが今回ナイキのアイデア





これにより ”インソール・中底・ミッドソール(クッショニングシステム)・アウトソール” といった順番の底付けが

”インソール・ミッドソール(クッショニングシステム)・アウトソール” の順番に

つまりストロベルボードとフルレングスズームエアが共通・共用になった事で、間にいた壁が取り払われクッションがより直接的に感じられるようになった、という話




またクッションユニットはアッパーに直接縫いつけられており、指先から踵まで満遍なくカバーしたエアユニットとなっている

しかも各サイズに合わせたズームエアになるので、今までよりも更にクッションの効果を感じるかと

ちょっとした工夫だが、これが大きな変化で、見えないところで靴作りの概念が変わったなと思うところ

生産する上でめちゃくちゃ費用掛かってそうですが…

但し安定性においてはストロベルの意味は大いにあるので、一概に駄目とは言えないでしょう



- まとめ -

「これが低評価?」

ノーノーノー、いやいやそれは無い…

KD11のコンフォートな部分はそのままに、ピーキーだった部分をチューニング

確かにアッパー材料の変更・カッティングの変更により ”履きごこち” は変わったが

芯となる ”履きやすさ” は依然変わらず、非常に非常にコンフォート (super comfortable ! )

むしろKDシリーズとしては珍しく、我々一般人でも素直に履きやすいと言えるかと





KDシリーズとしては久々のハイカットとなった今作 (一応 ”3/4丈” という設定)

製造の徹底した効率化と材料の変更により軽量化がすすみ、ローカットが持つ重量差のアドバンテージは気になるほどでは無く

ほぼ同じ重さなら、あとは本人の好みでカットの高さを選べば良いと思うわけで

ロックダウンと安定性が向上した今作は優秀な一足、自信を持って ”最新作” と呼べるパフォーマンスでしょう





これまでシリーズを履いてきた中でも特に良かったと言える一足

「クッションが軟らかすぎる」「ソール剛性が低い」といった意見も出そうですが、このクッション構成で重箱の隅をつつくような事を言うのは意地悪な気もするところで

”ハイカットの安定感とロックダウンから生まれる最大限のクッショニング” は試しに履く価値としては充分にあるかと

これを見て履いてみたいと思って貰えたら嬉しいなあ…

今シーズン上半期、今のところ "Nike KD 12""Jordan Why Not Zero 2" の二足が気に入っております

今後も "Nike Zoom Freak" や "New Balance OMN1S" など引き続き興味深いモデルが待機しており発売が楽しみなのである、お疲れ様でした










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